【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「お父さんからの贈り物だもん。お母さんがくれるはずない」
あの二人が、私のこの異常さの原因だ。
あの二人が全体的に異常だから、私は超異常なんだ……と、まあ、最近は、開き直り始めたのだが、結局は、根本的に、お母さんもお父さんも私も歪んで、異常になってしまう原因が幼い頃に遭ったせいであると思っている。
「健斗さんの溺愛ぶりがな……」
「相馬もそう思うでしょう?幼い頃から、あれをずっと見てきた私はすごかったと今更ながらに思うよ」
そのおかげで、こんなにも可愛くない性格になったのかもしれないが。
「……ま、いいよね」
「何が?」
「この性格だから、嫁の貰い手がないんじゃないか……って、良く、お父さんに心配されてたの。『僕じゃなくてユイラに似てくれれば……』って。でもほら……私のことを貰ってくれるモノ好きもいたし、子供を……しかも、双子だよ?生んだし、死んでないし……めっちゃ、親孝行してない?」
それを、十九歳で成し遂げたことに問題があるのかもしれないが。
アイラは、大兄ちゃんを十六歳で生んだんだから。
それに比べたら、私のことなど、些細な問題に過ぎない……ノープロブレム。
「モノ好きじゃなくても、お前を欲しがっている奴はたくさんいたけどな……」
「え?なんか、言った?」
「いや、なんも」
「そう?」
頭上で、何か呟いた気がしたのだが、気のせいだろうか。
「んなことより、前を向いてろ。ひっくり返るぞ」
「えー」
背伸びをするように椅子の背に寄りかかっていると、相馬に頭を押し戻された。
「歩きたい……」
「立てても、歩き出せなかっただろ?仕方がねえ……「それは!そうだけどさ……私、車いすとか、苦手なんだもん!」……」
相馬の言葉を遮って、訴える。
「同じ場所にずっとって……本当に、苦手なんだから」
「知ってるよ」
私を宥めるように頭を撫でてくる相馬は、本当にやつれたと思う。
相当疲れがたまっているはずなのに、寝ないのだから。
如何すれば、休んでくれるだろうかと考えていると。