【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「……で、ついた先が焔棠家」


そこで、雪さんに核心を突かれ、”壊れた“らしい。


「……ま、あんま、記憶無いけどね。でも、薫が帰ってきたところらへんは、覚えてるよー」


にこにこ笑っているが、どこか、なにかが抜けていて。


「……あの後、相馬とどこに行ったんだ?」


焔棠の家に帰ったことは事実らしく、薫は沙耶に訊ねる。


こいつがここまで、他人に興味を持つなんて……それだけ、沙耶の様子はおかしかったのか。


「相馬の家」


なんてことを考えていると、またもや、考えられないキーワードの出現である。


「はい!?」


驚いたのは、水樹。


「兄さんの部屋に入ったの!?嘘でしょ?マジで?え、俺らも入ったことないのに!?」


その通り。


幼馴染みといえど、相馬は自分の部屋を明かしたことがない。


弟の水樹でも入らない、入れない場所に、相馬は沙耶を連れ込んだ?


……十分に、沙耶に惹かれているじゃないか。


< 65 / 759 >

この作品をシェア

pagetop