【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「……ハハハッ、相馬。いつの時代も、夫は妻に振り回されるものだよ。惚れたもん負けだ」


すると、それを影から見ていたらしい直樹さんは笑いながら入ってきて、俺の腕に目を落とす。


「ほら、悠哉くんが眠ってるんだから、お父さんとお母さんは静かにして、優しく抱いてあげなきゃ」


……この状況下で、俺の腕のなかで眠れる息子。


「沙耶似か」


少なくとも、俺には無理だ。


沙耶は、かなりマイペースだから、そちらに似たのだろう。


悠哉をそっとベットに寝かせ、頭を撫でる。



「お前もマイペース人間だもんな……」


言いかけ、横を見ると……

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