【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「大兄ちゃんとそんな関係だったっけ?ってか、なんで、大兄ちゃんにそのことを言ってないの?いくら、幼馴染みで甘えることを春ちゃんが許してくれているとしても……やりすぎだよ!」
「ハハハ……」
乾いた笑みを浮かべる春ちゃんは、大兄ちゃんの子を妊娠しているという。
本当に、何がそうして、そうなったんだ。
「まあ、沙耶も同じ感じだったでしょう?」
困惑する私の横で笑う麻衣ちゃんは、自身のお腹を優しく撫でた。
「それは、そうだけど……」
そんなことを、私は言えない立場ではないのは分かっている。
分かっているけれど……
「春ちゃんには、幸せになってほしんだよ」
たくさん、苦労を掛けた。
ずっと、可愛がってもらった。
その分、幸せになってほしいのに……
「……沙耶は、大ちゃんだと、駄目だと思うの?」
「……大兄ちゃんは、まだ、囚われているから」
過去という檻に。
私は相馬の手を取って、大兄ちゃんと残したまま、そこから抜け出したけれど……今、思えば、私は自分勝手である。