【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「沙耶……あんた……」
沙耶のことをよく知っている柚香は、泣きそうな顔をして。
沙耶は、再び、首を横に振った。
「柚香、違うよ。諦めたからじゃないよ。相馬に、命を分けて貰ったの。柚香なら、分かるよね。私ね、寿命が短いんだって。もとから、わかってたけど……生力が、異常に弱いんだって」
沙耶は、もとから、病弱で。
それでも、強くあらんとするその姿勢は、誰かが止められるものではなかった。
その場には、緊張が走る。
「ほら、もとは20まで、でしょう?」
短すぎる生。
それでも、彼女は同情されるのをいやがる。
儚く笑った沙耶を腕に抱き締め、柚香は首を振った。
「もっとっ、生きるでしょう!?」
死なせない、そう言うように。
沙耶はそれに、ゆっくりと頷いて。