【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「え、今さら?」
「いい加減、可哀想だよ……」
二人は相馬を憐れむけれど、私はそれどころじゃない。
本気で、何で、相馬が私に儀式を受けさせたがらないのか、分からない。
私的には、御園の重鎮と顔をあわせる度に言われる文句を受け流すのが面倒くさいのだが、それを相馬に愚痴ると、その重鎮があとを残さず消されるので、容易な発言はアウトだ。
(そりゃ、ぽっくり、そのせいで逝っちゃった奥さんは歴史上に沢山いるみたいだけど……)
あくまでそれは、政略結婚だった場合である。
それか、御園の人間が、相手をものすごく嫌っていたとき。
相馬に愛されている自信があるかと問われれば、嫌が応でも、『当たり前』と答えるしかない私は、相馬に愛されているはずだ。……多分。
人の心は移ろいやすい。
絶対とか、永遠とかない世界で、それを貫いた月姫と燕鳳は偉大だった。
お互いに変わらなかったんだから。
願わくば、そうあってほしい。
相馬の傍にずっと、いたいから。