【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……あー……でさ、話を戻すけど」
私が思いっきりズラして、自分の世界に入ったのに、二人は笑うばかりで。
それを切り替えるべく、無理矢理、話を戻す。
咳払いをした春ちゃんは、そして、私に爆弾を落とす。
大きな、大きな爆弾を。
「大ちゃんね、今、おじいちゃんのところにいるんだよ」
……おじいちゃん?
朝陽の両親は亡い。
朝陽は施設の子供である。
アイラの父親は、私のお母さんであるユイラと同じ。
……双子なんだし、当たり前だが。
(まさか……)
私の父、健斗の両親はとっくの昔に逝ってるし、考えられるのは、ただ一つ。
「……藤島」
「正解」
すべての引き金。
あの日、私たちを追い詰めた人間。