【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「……あー……でさ、話を戻すけど」


私が思いっきりズラして、自分の世界に入ったのに、二人は笑うばかりで。


それを切り替えるべく、無理矢理、話を戻す。


咳払いをした春ちゃんは、そして、私に爆弾を落とす。


大きな、大きな爆弾を。


「大ちゃんね、今、おじいちゃんのところにいるんだよ」


……おじいちゃん?


朝陽の両親は亡い。

朝陽は施設の子供である。


アイラの父親は、私のお母さんであるユイラと同じ。
……双子なんだし、当たり前だが。


(まさか……)


私の父、健斗の両親はとっくの昔に逝ってるし、考えられるのは、ただ一つ。


「……藤島」


「正解」


すべての引き金。


あの日、私たちを追い詰めた人間。


< 673 / 759 >

この作品をシェア

pagetop