【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
相馬がなにかを言う前に、春ちゃんが飛び込んできて。
「バカ!」
大兄ちゃんに駆け寄ると、思いっきり、頬をつまんだ。
「遅い!」
「……すいません」
春ちゃんにだけ逆らえない大兄ちゃんは、そっぽを向いて謝る。
「人と、話すときは……?」
わお、出ましたよ。
春ちゃんのこわーい、ひくーい、声。
「……目を、合わせます」
「よろしい」
……よもや、恋人を通り越して、夫婦である。
ん?……つか、そんな判断でいいのか?
「……」
いいな。
大兄ちゃんの子供を妊娠しているんだし。
って、それもあるけど。
「……春ちゃん」
「ん?……どしたー?沙耶」
大兄ちゃんお説教タイムに入っていた春ちゃんは、いつもの優しい笑顔で笑いかけてくれる。
その事にホッとしながらも、私は尋ねた。