【完】☆真実の“愛”―君だけを―2

最強のわけ

□沙耶side■



人生は、山あり谷あり。


本当にその通りだと思う。


私の過去も、最強面子との出会いも、


なんか、何もかも、私の人生は上手くいきすぎている。


それらすべての私の”異常“と引き換えに、神様は私から、命を奪うんだと思っていたのに……まさかの生きられる、延命術を見つけてしまった。


それが、相馬と関係を持つこと。


別に初めてだから、嫌だとかいう性格ではなく、流れのままに身を任せておきたい私は、相馬に一晩、身を任せたあとから、体調がよく、絶好調である。


気分は、最高。


そんな私に、相馬は生きろと言う。


私が過去に何をしていようと、


地獄に落ちようと、


今は生きろと言う。


前世の記憶を捨ててでも。


スケコマシのはずだった相馬が、私にこだわる理由は皆無。


私は確かに社会的には、力があるかもしれない。


でも、それは、父親の力であり、私の力ではない。


私は、それに甘えたくない。


欲しいものは、自分の力で手にいれたいのだ。


……恐れ多いことに、私は生きたいと思ってしまった。


だから、私は相馬が生かしてくれるというこの命を、最後まで大切に使いきろうに決めた。



”お互いに干渉しない“ということをルールに、作られた、契約カレカノ。



この関係が、後で相馬を縛ることになるなんて、このときの私は全く、さっぱり、なにも考えていなかった。
< 72 / 759 >

この作品をシェア

pagetop