【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


(今度は、何語だぁぁぁー!?)


何で、こんなにもペラペラなんだ!こいつは!!
(まだ、21歳のくせに!!)


「おぉ、ロシア語か。発音がきれいだな……」


「あの年で、ロシア語……流石と言うべきだな。本当、怪物だ……」


色んな思考が頭の中で巡っている私の横で、父と祖父がそう呟き、この人たちも統治者なのだと思い知る。


(つか、ロシア語ってわかるのかよ……っ!)


なんか、自分が恥ずかしい。


「何々……ああ、アンドレイ様か。あの方、陽気で面白い方だよな。あんなお方にも気に入られているって、相馬、すげぇな」


「……」


「まあ、相馬だし」


「本当、どんな育ち方をしたんだか……」


何でも、面倒くさい、適当がモットーの自分が、本気で恥ずかしい。


なんだ、こいつら。


何で、わかる!?


「……父さんやおじいちゃんはともかく。何で、大兄ちゃんも、わかるわけ……?」


心底、不思議でならない。


すると、大兄ちゃんのそばにいた春ちゃんがクスクスと笑った。


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