【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
相馬が甲斐に向かって、何か合図した。
「ん?なになに……」
それを、じっと見つめた甲斐は納得したように頷く。
「……?」
「沙耶?もしや、キャパオーバーになってない……?大丈夫??因みに、今のは、手話だよ。見たことない?」
いつも鬼畜のはずの甲斐が異常に優しいのも気になるが、それ以上に気になるのは、相馬の頭脳だ。
「相馬、チャラチャラしているように見えて、滅茶苦茶に頭良いからね?」
「いや、それは知っているけど……っ!」
全国模試、一位以外があり得ないあいつの頭が良いのは理解している。
だが、今、こいつ……
「あ、ついでに……」
まだ、アンドレイさんと電話していると言うのに、そんな相馬の前に甲斐は資料をつきだした。
「……ありがとうございます」
ロシア語で会話をしながら、それに目を通し、サインをした相馬は、また、甲斐に手話で何かを飛ばした。
それを理解できるのも、あれだが……!あれだが……!!
(……何でだろう。私の恋人、最強だ……)
イケメンは信じられない、性格は悪い。
そう思ってきたが、ここまでイケメンで、何でもできるなんて、化け物みたいで怖いじゃないか!
相馬のこれまでの努力が、嫌でも伝わってきて。