【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


そんな私の表情を読み取ったのか、甲斐は私の頭を撫でてきた。


「……相馬はね、お母さんに誉められたくて僅か、6歳で英語を完璧に習得したんだ。俺と初めて会ったとき、英語で問いかけてきたほどに、英語がペラペラ。9歳の時にはやることがないからと、ドイツ語とフランス語を習得し、本当に、冷たい目をした子供だった」


確か、6歳差の二人。


「甲斐は、相馬と何歳のところに出会ったの?」


「……俺が、15の頃。完全に、心が裏切られることに慣れてしまっていた相馬が自殺とかしないように、監視役としてつけられたんだ」


「……」


「自分の家のことを学ぶ度、自分の中に流れる血を知る度、相馬は『死にたい』と言った。だから、俺が言ったんだ。『お前が死んで、何になる?』と」


相馬はなんだかんだ言って、甲斐を大切にする。


甲斐を頼りにし、甘えてきたのだろう。



< 724 / 759 >

この作品をシェア

pagetop