【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「……今の話に、寝室は関係ねぇだろ。あと、別々は却下な」


「……」


相馬の言い分も、わからないことはない。


けれど、私のせいでここまでされるほど、心苦しいものもない。


――ピルルッ……


そんな、私の心情がわかっていないんのであろう相馬は、突如なった電話に出た。


「……なんだと?」


そして、伝えられた内容に、低い声を出す。


「姉さんと兄さんは……そうか、わかった。しかし、それは、兄さんの専門の……」


どうやら、仕事の電話らしく。


邪魔にならないよう、手をほどいて離れようとすれば、腰に手を回され、引き寄せられた。


『離れるな』


彼は目でそう訴えるけど、そうはいかないと思う。


(大体、こういうところでしょ……?)


ぶっちゃけ、今回の結婚は認められていない。


御園家のみなさんは大歓迎!だったけど……御園の重鎮たちは、認めていないっぽい。


家の中ですれ違うと嫌な顔をされるし、相馬が言うには、『自分達の利益しか考えず、俺らのことを怪物だと思っている、くそ野郎共』らしいが……。

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