【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「―もしもし、シュウ?」
『あ、沙耶だ!なあに?』
無邪気な声は、私の母性をくすぐらせる。
『旦那さんの浮気調査?なんでも、良いよ!仕事をちょうだい!』
「フフっ、本当、仕事が好きなのね。……ちょっと、大きな仕事を頼みたいの。旦那の会社のことなんだけど」
『会社ぁ……?うー、めんどくさ!』
「ごめんね?」
『沙耶のためなら、全然、平気!』
なんで、私にこんなにも全面的協力をしてくるのかとか、何歳なのかとか、色々と気になることはあるが……優秀なので、使っている。
「そのために、貴方に会いたいのよ」
『……旦那さんも来る?』
「そりゃあ……」
『……いいよ』
彼が何を思って、どこにいるかは知らない。
何歳なのか、本名はなんなのか、知りたいことはたくさん。
「聞きたいことも、たくさんあるの。結婚式にも、あなたを招待したい。今から、会えるかしら?」
『……分かった。抜け出してくるから、時間かかるかもだけど。何時?』
「じゃあ、今から、30分後でどう?」
『りょーかい!じゃあ、すぐ行くね!』
切れる、電話。
本当、言動とかは小学生なのだが。
まさか、小学生ってことは……最強情報屋がそれなのは、中々にしんどい……
けど、嫌な予感というものは当たるもので。