【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「黒橋さん、彼らを知りませんか?」
「あいつらなら……柚香と千歳は来ますよ。間違いなく。薫はサボると思います」
明らかに授業に出る気、無しだったし。
「光輝は……どうだろ……」
と、まぁ、曖昧に返す。
すると。
「遅れてすいません!」
教室のドアが勢いよく開き、柚香たちが入ってきた。
「遅かったじゃん」
「あんたが早すぎるの。病み上がりの癖に……って、沙耶、教科書とかは?」
「ん?ない」
「忘れたの?」
千歳たちが席につくなか、柚香は問いてくる。
「いや?久しぶりにここ来たら、なかったから……捨てられたかなーっと思ってる」
「何で、そんな冷静なの!」
「……いつものことだもん」
「まぁ、そうだけど!待って。私の見せる」
「いいよ~教科書の内容は、全て、暗記してるから。ほら、柚香は席につきな?先生ー!授業妨害してすいませんでした。どうぞ、始めてください」
背後の権力的に、私たちになにも言えない先生。
ハッキリ言うとすれば、学年主任くらいだろう。