【完】☆真実の“愛”―君だけを―2



「黒橋さん、彼らを知りませんか?」


「あいつらなら……柚香と千歳は来ますよ。間違いなく。薫はサボると思います」


明らかに授業に出る気、無しだったし。


「光輝は……どうだろ……」


と、まぁ、曖昧に返す。


すると。


「遅れてすいません!」


教室のドアが勢いよく開き、柚香たちが入ってきた。


「遅かったじゃん」


「あんたが早すぎるの。病み上がりの癖に……って、沙耶、教科書とかは?」


「ん?ない」


「忘れたの?」


千歳たちが席につくなか、柚香は問いてくる。


「いや?久しぶりにここ来たら、なかったから……捨てられたかなーっと思ってる」


「何で、そんな冷静なの!」


「……いつものことだもん」


「まぁ、そうだけど!待って。私の見せる」


「いいよ~教科書の内容は、全て、暗記してるから。ほら、柚香は席につきな?先生ー!授業妨害してすいませんでした。どうぞ、始めてください」


背後の権力的に、私たちになにも言えない先生。


ハッキリ言うとすれば、学年主任くらいだろう。


< 75 / 759 >

この作品をシェア

pagetop