【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「二人って、格段に仲が良いよね?」


その様子を見ていた沙耶が、笑った。


「相馬が良い顔してるし」


どういう測り方だ?それ……


でも、まぁ……


「施設にいた頃からの付き合いだもんな?」


「あの頃はこんなことになるなんて、思ってもなかったが」


「そりゃ、誰だってそーだろ」


ただ、絶望していた人生。


初めて出た、外の世界で見つけたのは、一生ものの友達と呼べるもの。


「あの施設で、俺が一番印象の強かったのは……」


「俺も、あれだな……」


思い出される、強烈的な出会い。


桜は昔から、変わらない。


不屈の精神というか……折れることがない。


「「桜との出逢い」」


だからか。


いい感じで重なった俺たちは、沙耶の笑い声で、笑顔になる。


「アハハッ!やっぱり、そっくりだよ!あんたたち!」


権力者を捕まえて、失礼なことを連発することができる俺の妻は、大笑いする。


「薫」


そこに現れた、一人の男性。


「瞬さん」


「今日は、お招きどうもありがとう」


「貴方の娘ですし……」


「正確に言ったら、京くんのだよ」


桜を自分の娘として育て上げ、薫たちとも適度な交流を持たせた、悠仁さんの次に俺がわからない人間の瀬戸瞬。

< 752 / 759 >

この作品をシェア

pagetop