【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「二人って、格段に仲が良いよね?」
その様子を見ていた沙耶が、笑った。
「相馬が良い顔してるし」
どういう測り方だ?それ……
でも、まぁ……
「施設にいた頃からの付き合いだもんな?」
「あの頃はこんなことになるなんて、思ってもなかったが」
「そりゃ、誰だってそーだろ」
ただ、絶望していた人生。
初めて出た、外の世界で見つけたのは、一生ものの友達と呼べるもの。
「あの施設で、俺が一番印象の強かったのは……」
「俺も、あれだな……」
思い出される、強烈的な出会い。
桜は昔から、変わらない。
不屈の精神というか……折れることがない。
「「桜との出逢い」」
だからか。
いい感じで重なった俺たちは、沙耶の笑い声で、笑顔になる。
「アハハッ!やっぱり、そっくりだよ!あんたたち!」
権力者を捕まえて、失礼なことを連発することができる俺の妻は、大笑いする。
「薫」
そこに現れた、一人の男性。
「瞬さん」
「今日は、お招きどうもありがとう」
「貴方の娘ですし……」
「正確に言ったら、京くんのだよ」
桜を自分の娘として育て上げ、薫たちとも適度な交流を持たせた、悠仁さんの次に俺がわからない人間の瀬戸瞬。