【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「で、では……教科書を開いてください。ここの問題を解いていきましょう。出席番号、8のつく人は解きに来てください」
戸惑いながらも、授業を始めた先生。
「おっと。私、8番じゃん」
運が良いのか、悪いのか。
「柚香、最近、何やってた?」
現在、どこまで進んでいるのか、さっぱり。
「ここ。……教科書、持っていきな?」
「いや、あれ、応用だし。教科書見ても、わからんものはわからんやろ?」
他の生徒が前に書きに行く中、私も立ち上がる。
「黒橋さん、無理しなくても……」
三週間、休んでいたのだ。
だからといって、なにもしなかったわけではない。
「大丈夫です」
ペンを手に取り、数式を書く。