【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……と、いうことで、お嬢様ってなに?」
数学の授業が終わり次第、そう、柚香たちに尋ねれば。
「沙耶ってば……授業中、そんな下らないことをずっと、考えてたの?」
(……そうですよね!)
自分でも下らないと思う。
「お嬢様っつても、親が権力者なだけじゃね?」
「……それは、私も思った」
彼らと同じ思考をしているということは、まだ、救い用のある脳みそということだろうか。
「……でもさ、いきなり、どうしたわけ?」
柚香、千歳、真姫、光輝、風斗、蒼生に囲まれ、沙耶は笑った。
「いや、さ?今日の数学の時間、適当に書いた答えが習ってないところで先生を困らせたじゃん」
「そういや、あれ、すげぇな。お前!」
イチゴオレを飲みながら、ニカッと笑った光輝。
「……そう?でも、あれさ、兄貴たちに習ったまんまなんだよね」
「お前、兄ちゃんいたもんな。頭よさそーだった」
人懐っこい笑み。
なんて、かわいい。