【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
沙耶は幼い頃から色々、学んできた。
両親は、容姿端麗。
父は会社の社長であり、頭脳明晰。
兄達も同じく、容姿端麗で頭脳明晰で質実剛健。
自身の周りを囲む人間も……以下同文。
そんな、“異常”で出来た人間に囲まれて、育った沙耶。
まるで、“童話の中から出てきた王子さま”たちの性格はあれだけど、そんなもんに囲まれて育ったんなら、沙耶が容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群で、おまけに、支配者としての素質を持ち合わす“異常”な子供でもおかしくはない。
子供は周りを見て、大きくなるのだから。
……私の場合、クズしか周りにいなくて、沙耶たちの両親が私の目標だ。
沙耶はさっぱりとした性格で、執着心が全くといってない。
だからこそ、虐められる。
だが、それを苦にさえ思わないのだから、どうしようもない。
破天荒とも言える、この幼馴染み……大人しくなる日は、来るのだろうか?