偽装新婚~イジワル御曹司の偏愛からは逃げられない~
プロローグ
ブラウンを基調にした落ち着いたリビングルーム。その奥には最新設備の整った
システムキッチンが続いている。
キッチンからふたつのマグカップを手に現れた背の高い彼は……私の……。
「お疲れさま。花嫁は色々大変だっただろ。今夜はゆっくり休んでな」
「ううん。すっごく、すっごく、幸せだった」
「そう?なら、よかった」
お風呂あがりの私にホットミルクを差し出しながら、彼は甘い甘い微笑みを浮かべた。
そう、この素敵な彼は私の旦那様!
あぁ‥‥なんて、幸せなんだろう。
身長180センチでスタイル抜群。さらりと流れる前髪からのぞくアーモンドアイにすっきりとした鼻梁。優しげな口元。
100人中99人は彼をイケメンだと評するだろう。家柄よし(お父様は某メガバンクの役員)、学歴よし(K大法学部卒)で、業界一位の花園商事の出世株だ。明るく爽やかで、気遣いもできる。
女子社員が選ぶ結婚したい男ランキングは入社以来ずっと一位、もはや殿堂入り。
そんな最高の彼、鈴ノ木光一さんを私はついにゲットした! 花園商事受付嬢として勤務しはじめて四年(厳密には私は花園商事社員ではなくグループ会社の社員なのよね。ちなみに我が社、花園クリエイティブの平均年収は本社社員の半分程度しかない)、その間ずっと憧れ続けた彼の妻という立場をとうとう手に入れたのだ。
女としてこれ以上の勝利があるだろうか。いや、ない。私は勝ち組の中の勝ち組。人生は薔薇色だ! 今の気分は、例えるならば、キラキラの電飾を背負って大階段を降りてくるトップスターといったところだろうか。
「華?大丈夫? なに、ニヤニヤしてるんだ?」
「へっ⁉︎」
はっと我に返った私の目の前に、光一さんの綺麗な顔がある。端正なのに、どこか野生的な色気もあって‥‥はぁ〜、いつ見てもイケメンだわ。今日の披露宴でも友人席からの羨望の眼差しが痛いくらいだった。もちろん、それが快感でもあったことは否定しないけど。
システムキッチンが続いている。
キッチンからふたつのマグカップを手に現れた背の高い彼は……私の……。
「お疲れさま。花嫁は色々大変だっただろ。今夜はゆっくり休んでな」
「ううん。すっごく、すっごく、幸せだった」
「そう?なら、よかった」
お風呂あがりの私にホットミルクを差し出しながら、彼は甘い甘い微笑みを浮かべた。
そう、この素敵な彼は私の旦那様!
あぁ‥‥なんて、幸せなんだろう。
身長180センチでスタイル抜群。さらりと流れる前髪からのぞくアーモンドアイにすっきりとした鼻梁。優しげな口元。
100人中99人は彼をイケメンだと評するだろう。家柄よし(お父様は某メガバンクの役員)、学歴よし(K大法学部卒)で、業界一位の花園商事の出世株だ。明るく爽やかで、気遣いもできる。
女子社員が選ぶ結婚したい男ランキングは入社以来ずっと一位、もはや殿堂入り。
そんな最高の彼、鈴ノ木光一さんを私はついにゲットした! 花園商事受付嬢として勤務しはじめて四年(厳密には私は花園商事社員ではなくグループ会社の社員なのよね。ちなみに我が社、花園クリエイティブの平均年収は本社社員の半分程度しかない)、その間ずっと憧れ続けた彼の妻という立場をとうとう手に入れたのだ。
女としてこれ以上の勝利があるだろうか。いや、ない。私は勝ち組の中の勝ち組。人生は薔薇色だ! 今の気分は、例えるならば、キラキラの電飾を背負って大階段を降りてくるトップスターといったところだろうか。
「華?大丈夫? なに、ニヤニヤしてるんだ?」
「へっ⁉︎」
はっと我に返った私の目の前に、光一さんの綺麗な顔がある。端正なのに、どこか野生的な色気もあって‥‥はぁ〜、いつ見てもイケメンだわ。今日の披露宴でも友人席からの羨望の眼差しが痛いくらいだった。もちろん、それが快感でもあったことは否定しないけど。
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