偽装新婚~イジワル御曹司の偏愛からは逃げられない~
「うーん。なんというか、華ちゃんて老人と子どもと動物に好かれるタイプでしょ!人畜無害ってやつ?」
梨花さんの言い草に、私はがくりと肩を落とした。
「……それ、ちっとも褒めてないですよね」
(さすが姉弟。毒舌っぷりまで、そっくりだわ)
梨花さんは絵画から抜け出てきたような美しい顔で、にっこりと微笑んだ。
「最大級に褒めてるのよ!私とか光一みたいな人間て、とにかく敵を作りやすいからね。回避するためには、どうしても仮面かぶって、武装しなきゃなんないの」
仮面という言葉に、私ははっとした。ホワイト光一さんは、まさに梨花さんの言うような状況だったのかもしれない。
世の中をうまく渡っていくための仮面。私には縁のないその仮面は、なんだか、すごく重たそうな気がする。
「私はさ、敵が増えるの上等って感じで開き直ったけど、光一は子どもの頃からいまも、ずーっと人に気を遣って生きてるのよ。そういう人間からすると、華ちゃんみたいな自然体でいて誰からも好かれるタイプは羨ましくて、眩しくて仕方ないの。なんでも持ってる光一が、唯一手に入れられないものなんだと思うわ」
「そ、そんな大層な人間じゃ……」
「光一にとっては、大層な人間なのよ、華ちゃんは。だから、自信持って」
梨花さんは優しい目をして、優しい言葉をくれた。
(そうなのかな……。自惚れじゃないかな。光一さんの奥さんなんだって、自信を持っていいんだろうか)
梨花さんの言い草に、私はがくりと肩を落とした。
「……それ、ちっとも褒めてないですよね」
(さすが姉弟。毒舌っぷりまで、そっくりだわ)
梨花さんは絵画から抜け出てきたような美しい顔で、にっこりと微笑んだ。
「最大級に褒めてるのよ!私とか光一みたいな人間て、とにかく敵を作りやすいからね。回避するためには、どうしても仮面かぶって、武装しなきゃなんないの」
仮面という言葉に、私ははっとした。ホワイト光一さんは、まさに梨花さんの言うような状況だったのかもしれない。
世の中をうまく渡っていくための仮面。私には縁のないその仮面は、なんだか、すごく重たそうな気がする。
「私はさ、敵が増えるの上等って感じで開き直ったけど、光一は子どもの頃からいまも、ずーっと人に気を遣って生きてるのよ。そういう人間からすると、華ちゃんみたいな自然体でいて誰からも好かれるタイプは羨ましくて、眩しくて仕方ないの。なんでも持ってる光一が、唯一手に入れられないものなんだと思うわ」
「そ、そんな大層な人間じゃ……」
「光一にとっては、大層な人間なのよ、華ちゃんは。だから、自信持って」
梨花さんは優しい目をして、優しい言葉をくれた。
(そうなのかな……。自惚れじゃないかな。光一さんの奥さんなんだって、自信を持っていいんだろうか)