偽装新婚~イジワル御曹司の偏愛からは逃げられない~
光一さんが私の顎を持ち上げ、そっと顔を近づけた。
慣れない左手を使うせいか、少しぎこちない。初々しいファーストキスのようで、
私の胸の鼓動もどんどん加速していく。
ふたりの唇がゆっくりと重なった。
「やめる気ないけど、いい?」
熱を帯びた彼の声は、問いかけているようでいて、否とは言わせない迫力があった。
私の返事を待たずに、光一さんはもう一度、甘いキスをくれた。
深く、長い、そのキスに私は溺れそうになる。
「はぁ。ま、待って」
「やだ」
光一さんがソファの上に私を押し倒した。まっすぐに私を見おろすその瞳は、
幼い子どものように直情的だ。
「だ、だって、光一さん右手怪我してるし」
光一さんは自身の右手を持ち上げ、じっと見つめる。
「……たしかに。利き手が使えないってのは、ほんとに不便だな」
「でしょう?」
「でも、やめる気はないよ」
彼は扇情的な笑みを浮かべる。
「解決策、見つけた。華がリードしてよ」
「えぇ?無理、無理、無理~」
「大丈夫。全部、教えるから」
真っ赤になった顔を隠すように、私は両手で顔を覆った。
彼はクスクスと笑いながら、それをはがしていく。
「じゃ、レッスンワンな。……そういう仕草は、余計に俺を煽るだけだから無駄」
言いながら、光一さんは私におおいかぶさり、首筋に唇を寄せた。
ーー私のリードがうまくいったかどうかは、ふたりだけの秘密。
本編、了。
慣れない左手を使うせいか、少しぎこちない。初々しいファーストキスのようで、
私の胸の鼓動もどんどん加速していく。
ふたりの唇がゆっくりと重なった。
「やめる気ないけど、いい?」
熱を帯びた彼の声は、問いかけているようでいて、否とは言わせない迫力があった。
私の返事を待たずに、光一さんはもう一度、甘いキスをくれた。
深く、長い、そのキスに私は溺れそうになる。
「はぁ。ま、待って」
「やだ」
光一さんがソファの上に私を押し倒した。まっすぐに私を見おろすその瞳は、
幼い子どものように直情的だ。
「だ、だって、光一さん右手怪我してるし」
光一さんは自身の右手を持ち上げ、じっと見つめる。
「……たしかに。利き手が使えないってのは、ほんとに不便だな」
「でしょう?」
「でも、やめる気はないよ」
彼は扇情的な笑みを浮かべる。
「解決策、見つけた。華がリードしてよ」
「えぇ?無理、無理、無理~」
「大丈夫。全部、教えるから」
真っ赤になった顔を隠すように、私は両手で顔を覆った。
彼はクスクスと笑いながら、それをはがしていく。
「じゃ、レッスンワンな。……そういう仕草は、余計に俺を煽るだけだから無駄」
言いながら、光一さんは私におおいかぶさり、首筋に唇を寄せた。
ーー私のリードがうまくいったかどうかは、ふたりだけの秘密。
本編、了。