偽装新婚~イジワル御曹司の偏愛からは逃げられない~
「ね、寝不足にならないかな?」
私の発言に、光一さんは一瞬、真顔になる。その後でふっとふきだすように笑った。
「……意味深だな。誘ってんの?」
「えっ……ん?いや、待って!違う、違うからっ」
彼の言う深い意味に気がついた私は、あわてて否定する。
「わ〜違うの。光一さん、眠りが浅いって言ってたから、本当に純粋な意味で、心配して」

(うぅ。否定すればするほど、嘘っぽい)

光一さんはにやりと唇の端を持ち上げた。瞳はいたずらっぽく輝いている。

「違うの?それは残念。じゃ、俺から誘おうかな」
「っっ!!」
「覚悟しといて、寝不足」

私に答える間すら与えないスピードで、彼は私の唇を奪った。





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