偽装新婚~イジワル御曹司の偏愛からは逃げられない~
片手にリモコン、片手に缶ビール。大きなソファベッドに寝そべりながら、テレビを見ているようだ。
家デートも何度かしたことはあったけれど、こんなにくつろいだ(はっきりと言えば、ぐうたらな)彼の姿を見るのは初めてだった。
そうか、これが彼の素の姿なのか……。うちのダメ親父と同じようなことをしてても、イケメンだとさまになるのね。
「あぁ、おかえり」
私の気配に気がついたのか、光一さんがビールを持った片手をあげてこちらを向いた。
「あ。ただいま」
「飯は食ってきたの?」
「えっ‥‥夕飯はまだだけど」
「鍋にカレーあるよ。よかったら、どうぞ」
なんでもソツなくこなす光一さんは当然料理も上手だ。大雑把な私と違って、盛り付けなんかのセンスもいい。カフェでもひらけば、イケメンオーナーの店として繁盛するに違いない。って、そんなことはどうでもよくて‥‥なんで、この人こんなに普通なわけ⁉︎
被告人席に座る覚悟で帰宅した私との温度差はいったいなに?
それとも、このあいだのアレはやっぱりドッキリだったとか‥‥。頭の中は疑問符でいっぱいだ。そんな状況でも、悲しいことにお腹は減る。スパイスたっぷりのカレーの匂いの誘惑に負け、私はキッチンへと向かった。
コンロに火をかけ、カレーが温まるのを待つ。
「華さぁ‥‥」
「ぎゃっ!!」
いつの間にか真横に立っていた光一さんに声をかけられ、思わず叫び声をあげてしまった。
家デートも何度かしたことはあったけれど、こんなにくつろいだ(はっきりと言えば、ぐうたらな)彼の姿を見るのは初めてだった。
そうか、これが彼の素の姿なのか……。うちのダメ親父と同じようなことをしてても、イケメンだとさまになるのね。
「あぁ、おかえり」
私の気配に気がついたのか、光一さんがビールを持った片手をあげてこちらを向いた。
「あ。ただいま」
「飯は食ってきたの?」
「えっ‥‥夕飯はまだだけど」
「鍋にカレーあるよ。よかったら、どうぞ」
なんでもソツなくこなす光一さんは当然料理も上手だ。大雑把な私と違って、盛り付けなんかのセンスもいい。カフェでもひらけば、イケメンオーナーの店として繁盛するに違いない。って、そんなことはどうでもよくて‥‥なんで、この人こんなに普通なわけ⁉︎
被告人席に座る覚悟で帰宅した私との温度差はいったいなに?
それとも、このあいだのアレはやっぱりドッキリだったとか‥‥。頭の中は疑問符でいっぱいだ。そんな状況でも、悲しいことにお腹は減る。スパイスたっぷりのカレーの匂いの誘惑に負け、私はキッチンへと向かった。
コンロに火をかけ、カレーが温まるのを待つ。
「華さぁ‥‥」
「ぎゃっ!!」
いつの間にか真横に立っていた光一さんに声をかけられ、思わず叫び声をあげてしまった。