偽装新婚~イジワル御曹司の偏愛からは逃げられない~
仲の良い友人とじゃれ合う光一さんの姿は、私にはとても新鮮に映った。だけど、光一さんと松島さんがおしゃべりしているところなんて、これまでにも何度も見ているはずなのに……。
光一さんが変わったわけじゃない。変化があったのは私の方だ。私はずっと、憧れの王子様という名の色眼鏡をかけて光一さんを見ていた。もちろん悪気があったわけではないけれど、ありのままの光一さんを見てはいなかった。その事実に改めて気がつく。
「なんか不思議……」
こんなに表情豊かな人だとは知らなかった。この人はこんなふうに笑ったりするんだ。
「‥‥妬けるなぁ」
松島さんがぽつりと呟いた。
「え?」
「ん?」
私と光一さんが同時に反応する。
「いや、だってさ。白川さん、鈴ノ木が来たら、全然顔違うんだもん。嬉しそうにしちゃってさ、幸せいっぱいで羨ましいかぎりだよ」
ーーう、嘘⁉︎ 私、そんなににやけた顔してた?
私は思わず両手で口元を覆った。慌てて、弁解めいたことを口にする。
「ち、違います!いま、全然違うこと考えてて。光一さんが来たからとかそんなんじゃーー」
「えー?照れなくてもいいじゃない」
松島さんにひやかされて、ますますパニックになってしまう。
「本当に違うんです!光一さんは全然関係ないんです」
思った以上に大きな声が出てしまった。
光一さんが変わったわけじゃない。変化があったのは私の方だ。私はずっと、憧れの王子様という名の色眼鏡をかけて光一さんを見ていた。もちろん悪気があったわけではないけれど、ありのままの光一さんを見てはいなかった。その事実に改めて気がつく。
「なんか不思議……」
こんなに表情豊かな人だとは知らなかった。この人はこんなふうに笑ったりするんだ。
「‥‥妬けるなぁ」
松島さんがぽつりと呟いた。
「え?」
「ん?」
私と光一さんが同時に反応する。
「いや、だってさ。白川さん、鈴ノ木が来たら、全然顔違うんだもん。嬉しそうにしちゃってさ、幸せいっぱいで羨ましいかぎりだよ」
ーーう、嘘⁉︎ 私、そんなににやけた顔してた?
私は思わず両手で口元を覆った。慌てて、弁解めいたことを口にする。
「ち、違います!いま、全然違うこと考えてて。光一さんが来たからとかそんなんじゃーー」
「えー?照れなくてもいいじゃない」
松島さんにひやかされて、ますますパニックになってしまう。
「本当に違うんです!光一さんは全然関係ないんです」
思った以上に大きな声が出てしまった。