偽装新婚~イジワル御曹司の偏愛からは逃げられない~
マホガニーのダイニングテーブルにアイボリーのテーブルクロス。
その上に並んだのは、光一さん作の肉野菜炒めと中華風卵スープ。
私のつくったほうれん草のナムルとデザートのヨーグルトゼリー。
「いただきます」
おおざっぱに作り上げた光一さんの料理だったが、見た目も味も申し分ない出来だった。
「な、うまいだろ?」
「うん。おいしいけど、私はやっぱりお料理はレシピ通りにきっちり作りたい派!」
「そんなん、時間を無駄にするだけじゃん。よっぽの味音痴じゃなきゃ、味見しながらやれば
いいんだよ」
「__時間の無駄ぁ? おいしいものを作りたいと思って頑張るのに、その言い方って……光一
さんてやっぱり性格に難ありだよ」
「知ってる。それを見抜けなかった華はやっぱりバカだったんだな」
光一さんはふんと鼻で笑った。私はがくりと肩を落としながら、言う。
「共同作業で目指せ、仲良し夫婦!と思ったけど……作戦失敗か」
「だから言ったじゃん。無駄だって。仮面夫婦のなにが悪いのか、俺にはわかんないな。
いいじゃん、お互いに気楽で」
「私は嫌なの!まだ諦めないからね。明日の日曜日は光一さんは仕事?」
「いや、明日は休み。急な呼び出しがなければだけど」
「じゃあ、デートしましょ。結婚前は私の好みに合わせてもらってばっかりだったから、
明日は光一さんの好きな過ごし方をするの」
意気込む私とは対照的に、光一さんの反応は薄い。薄いなんてもんじゃない。
「好きに過ごしていいなら、ひとりでいたい派なんだけど……」
「それは却下です」
「張り切ってんなぁ」
光一さんが横目で私も見る。その顔は少し呆れているようだった。
「やっぱり、うざいっていうか面倒くさい?」
私のほうは少しでも夫婦らしく、仲良くなれたらって気持ちがあるから、そりゃ張り切る
けども、光一さんにはその気持ちが皆無なんだもんね。温度差があるのは覚悟の上だけど……。
「まぁ、なんていうか、すげー疲れた」
正直すぎる彼の感想が、私の胸をぐさりと突き刺す。
「けど、けっこう楽しかった。悪くない一日だったよ」
そう言って、彼は目を細めた。向けられる眼差しが、思った以上に優しくて、眩しくて、
直視できなかった。
「や、やっぱり上から目線!」
「ははっ」
その上に並んだのは、光一さん作の肉野菜炒めと中華風卵スープ。
私のつくったほうれん草のナムルとデザートのヨーグルトゼリー。
「いただきます」
おおざっぱに作り上げた光一さんの料理だったが、見た目も味も申し分ない出来だった。
「な、うまいだろ?」
「うん。おいしいけど、私はやっぱりお料理はレシピ通りにきっちり作りたい派!」
「そんなん、時間を無駄にするだけじゃん。よっぽの味音痴じゃなきゃ、味見しながらやれば
いいんだよ」
「__時間の無駄ぁ? おいしいものを作りたいと思って頑張るのに、その言い方って……光一
さんてやっぱり性格に難ありだよ」
「知ってる。それを見抜けなかった華はやっぱりバカだったんだな」
光一さんはふんと鼻で笑った。私はがくりと肩を落としながら、言う。
「共同作業で目指せ、仲良し夫婦!と思ったけど……作戦失敗か」
「だから言ったじゃん。無駄だって。仮面夫婦のなにが悪いのか、俺にはわかんないな。
いいじゃん、お互いに気楽で」
「私は嫌なの!まだ諦めないからね。明日の日曜日は光一さんは仕事?」
「いや、明日は休み。急な呼び出しがなければだけど」
「じゃあ、デートしましょ。結婚前は私の好みに合わせてもらってばっかりだったから、
明日は光一さんの好きな過ごし方をするの」
意気込む私とは対照的に、光一さんの反応は薄い。薄いなんてもんじゃない。
「好きに過ごしていいなら、ひとりでいたい派なんだけど……」
「それは却下です」
「張り切ってんなぁ」
光一さんが横目で私も見る。その顔は少し呆れているようだった。
「やっぱり、うざいっていうか面倒くさい?」
私のほうは少しでも夫婦らしく、仲良くなれたらって気持ちがあるから、そりゃ張り切る
けども、光一さんにはその気持ちが皆無なんだもんね。温度差があるのは覚悟の上だけど……。
「まぁ、なんていうか、すげー疲れた」
正直すぎる彼の感想が、私の胸をぐさりと突き刺す。
「けど、けっこう楽しかった。悪くない一日だったよ」
そう言って、彼は目を細めた。向けられる眼差しが、思った以上に優しくて、眩しくて、
直視できなかった。
「や、やっぱり上から目線!」
「ははっ」