天馬空を行く



最近気持ちがモヤモヤする。


"あぁーもう何なんだよっ!"



『おーおー荒れてんな、どうしたよ?』

そんな声が聞こえたと思い、我に返ると

目の前には楓の姿があった。



「なんだ……お前かよ。」


『なんだって何だよ!!

俺じゃわりーかよ!』


「いや……。」


『おい。本当にどーしたよ?

急に大人しくなっちゃって。』


「別に何でもない。」


『そんな訳ねーだろ!

お前が "別に" って言う時は何んかある時だから。』


『またあの子か?』


「………………。」


『無言って事は図星だな?』


『まぁ今日は深くは聞かねーよ。

その代わり、何かあった時は言ってくれよな!』



"じゃーな" そう言って楓は去っていった。



こういう所が楓の優しさなのかもしれないとつくづく感じた。



< 101 / 134 >

この作品をシェア

pagetop