天馬空を行く
最近気持ちがモヤモヤする。
"あぁーもう何なんだよっ!"
『おーおー荒れてんな、どうしたよ?』
そんな声が聞こえたと思い、我に返ると
目の前には楓の姿があった。
「なんだ……お前かよ。」
『なんだって何だよ!!
俺じゃわりーかよ!』
「いや……。」
『おい。本当にどーしたよ?
急に大人しくなっちゃって。』
「別に何でもない。」
『そんな訳ねーだろ!
お前が "別に" って言う時は何んかある時だから。』
『またあの子か?』
「………………。」
『無言って事は図星だな?』
『まぁ今日は深くは聞かねーよ。
その代わり、何かあった時は言ってくれよな!』
"じゃーな" そう言って楓は去っていった。
こういう所が楓の優しさなのかもしれないとつくづく感じた。