天馬空を行く
あの悪夢を見てから、頻繁に同じ夢を見るようになった。
(ストレスかな?)
それと同時に、気がつくと何故かあの子の事ばかり考えてしまう。
"佐倉愛夏"
里親の事があってから何だかやるせない気持ちになったり、
何に対してか分からないがイラついてしまう。
気づけばそんな気持ちを抑えられず
態度に出てしまう事が多くなった。
そうなると自分の世界に浸っていて、
我に返った時はもう遅かった。
"ハッ!"
目の前には愛夏ちゃんの怯えた表情。
身体は震えていて目には涙を溜めている。
「ごめんっ……。」
もう1度優しく触れようとするが、
叩かれると思ったのか自分の手を頭に乗せ、庇うように蹲った。
仕方なく浅香先生を呼び、
診察を代わりにやってもらうように頼み
その場を去った。