天馬空を行く


~優実said~


"浅香先生!!

愛夏ちゃん、また喘息の発作です!"



現在、深夜の2:30。


当直だった私は、ナースステーションにいた別の看護師からそう言われ、愛夏ちゃんの病室に向かっている。



(最近発作多いな……。)



病室のドアを開けると、

ベットに座り込みながら苦しそうに

咳き込む愛夏ちゃんの姿を捉えた。



"ゴホッゴホッ ヒューヒュー ハァ ヒュー ゴホッ"



「愛夏ちゃん苦しいよね。

ゆっくり深呼吸しようか?

一緒にやってね!スーハースーハー。

そうそう。上手上手!!」



そうやって吸引器も使いながら
愛夏ちゃんの発作を抑える。



今日は春山先生は当直ではないから
夜中はいないし、

普通だったら別の先生が対応するのがベストなんだけど

愛夏ちゃんの場合、別の先生だと拒否反応が強いので

特例で慣れている私が出来る限り対応する事になっている。



やがて発作は治まり、呼吸もさっきよりは落ち着いて来た。



愛夏ちゃんは疲れたのかぐったりして
今にも眠ってしまいそう。



「疲れたでしょ? いいよ!
しばらく傍にいるから。おやすみ」



そう声を掛けると、愛夏ちゃんは
すぅっと目を瞑り眠りについた。




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