天馬空を行く


~優実said~


「愛夏ちゃーん、昼食持ってきたよ!」


いつも通り、昼食の時間に各病室に昼食を配膳する。



最近は愛夏ちゃんも少しずつご飯を食べてくれるようになった。


今日のメニューは愛夏ちゃんが好きな物ばかりだ♪


愛夏ちゃん喜んで食べてくれるかな~?


そんな事を考えながら病室のドアを開く。



しかし、ベッドに居るはずの愛夏ちゃんの姿が見当たらない。


……あれ、居ない?


辺りを見渡しても人の気配が感じられない。


トイレに行ったのかな?と思って探してみるが、やっぱり居ない。



今まで、愛夏ちゃんは自分自身で病室の外へ出るような事はしなかった。



明らかにおかしい。



ベッドに手を置いてみると
まだほんのり温かかった。


愛夏ちゃんが居なくなってまだそんなに時間は経ってない。


逸る気持ちを抑え、頭を働かせる。


とりあえず春山先生に知らせなきゃ!


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