天馬空を行く
"ピリリリリ……ピリリリリ……"
ハッ!!!
(…………夢か。)
PHSの音で目が覚める。
慌てて出るが、直前まで見ていた夢のせいで息が切れていた。
急患の知らせを伝えようとした
看護師に指摘を受け、心配された。
しかしこんなことは日常茶飯事だった。
それでも額には汗をかいていて、
そろそろ自分でもヤバイのではないか
と思い始めていた。
いや、そんなことを考えるほど
暇ではなかった。
今は目の前の急患の所に行かなくては、
と思い自分のことなど後回しにせざるを得なかった。