天馬空を行く

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目の前の反対車線から、
僕達目掛けて車が突っ込んで来る。



"怖い!!"

それしか頭になかった。



後部座席に座っていたお母さんが、
隣にいた僕に覆い被さって守ってくれた。


しかし、僕達の乗っていた車は
宙に浮き逆さまの状態で地面に着地した。



もうどうなっているのか訳が分からない。



"痛いよ……"



薄れゆく意識の中、
お父さんとお母さんの姿を探した。



しかし、目の前にあった光景は
血を流してグッタリとしている両親の姿。





あの日から血の海の事故現場の光景が
頭から離れないでいる。


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