天馬空を行く
「で?なんで楓はここにいんの?」
『はぁー、切り替えが早いこと。』
「……感心してる場合か?」
『別に感心してる訳じゃねーしー』
『それより、はい。……これ。』
そう言って手渡してきたのは
1つのファイル。
『お前の担当患者の検査結果。
向こうで出てたから持って来てやった。』
「おお。それはどーも。」
俺は手元のファイルを見つめる。
その中の紙には "佐倉 愛夏" の名前が記されている。