シンデレラLOVERS
手を繋いで見に来たイルミネーションは、前に見たときよりキラキラしてるように見えた。



それはきっと、隣の善雅くんがわたしの彼氏として一緒に見てくれているから。



だから、


「なんだか……前の時よりキラキラしてるように見える」


「っ……」


素直な気持ちを口にしたら、隣の善雅くんがビックリしたような表情でわたしの方を見ていた。


もしかしたら……善雅くんも今、わたしと同じことを思っていたのかもしれない。


だったら嬉しい。


胸がほわっと温かくなる感覚を心地良く感じながら、わたしたちはそのまま何も言わずにイルミネーションを見つめていた。



前に来た時は最初で最後の思い出だって思ってたのに。
善雅くんはこうして、わたしの手をとってくれた。


善雅くんはなんでわたしのことを好きだって言ってくれたんだろう……。


善雅くんの中にずっとあったはずの静葉さんの存在は……どうなったんだろう。


「なんでわたしのこと、好きって言ってくれたの?」


「えっ?」


イルミネーションから視線を善雅くんに移して、昨日の保健室で言ってくれた好きの理由を聞いてみる。



「だってせっかく静葉さんとヨリが戻ったのに……」


昨日は聞けなかった静葉さんのことを、意を決して善雅くんに尋ねてみる。


彼の気持ちを疑ってるワケじゃない。


ただ……わたしを選んでくれた理由を善雅くんの口から聞いて安心したかった。


善雅くん……わたしが疑ってるって思ったかな。


この先善雅くんと一緒に居たいから、どうしても知っておきたい。
 

呆然としたようにわたしを見つめ返す善雅くんの揺れる瞳を、見つめながら善雅くんの答えを待った。

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