シンデレラLOVERS
「姉ちゃんによろしく」
動揺して慌ててるわたしとは正反対で。
有宮くんは涼しい顔でこう言い放つと、颯爽とした足取りで校舎の中へと戻っていってしまった。
「あっ……」
その後ろ姿を門のてっぺんから見つめながら、ふっとわたしの頭の中に浮かんだこと。
せっかくこうして手を貸して貰ったのに、ありがとうって言えなかった……。
わたしと付き合うって話が嘘じゃなかったら……このお礼が出来るチャンス、あるかな。
そんなことを思いながら、まだドキドキする胸を押さえ、わたしは葉琉ちゃんの元へと小走りで足を進めていった。