シンデレラLOVERS

「あっ!! 善くんっ」


門に差し掛かったところで、見覚えのない制服を着た綺麗な女の子が善雅くんの名前を呼んだ。



「っ!!」


「善雅くん?」


呼ばれた声で急に立ち止まった善雅くんにつられて、わたしもそのまま足を止める。


その人を見つめる善雅くんの横顔があんまり真剣だったから、わたしは思わず口を閉ざしてしまった。


「……静葉?」


目の前で善雅くんに笑顔で手を振る女の子を呼ぶ声が、微かに震えている。


高い背に長くて白い手足。

女優さんみたいに綺麗な顔立ち。


同性のわたしが見たってみとれてしまう……。


童顔でチビで地味なわたしとは正反対の、華やかで綺麗な女の子だ。



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