シンデレラLOVERS
日菜琉視点
「善雅の奴、体育の授業中に熱出してぶっ倒れてさ」
終礼の後すぐ。
教室に居たわたしは城崎くんに廊下に呼び出され、いきなりこう告げられた。
なんで……わたしにそんなこと言うの?
わたしたちの関係が終わったことを、城崎くんは知っているのに。
そう言いたくなったのをぐっと飲み込んだ。
だって……本当は善雅くんの様子が心配でソワソワしてる自分が居る。
わたしが傍に行ってもいいのかな……。
だから城崎くんは、わたしにこのことを教えてくれたのだろうか。
「保健室で寝てるから、様子見てあげてよ。起きたら俺が連れて帰るし」
こう言って背中を押してくれる城崎くんに、わたしの胸がトクトクと高鳴り始めた。
善雅くんに会いに行ける。
熱があるのに不謹慎だって怒られてしまうかもしれないけど、会いにいけるのが本当はすごく嬉しい……。
そんなわたしの気持ちを察しているのか。
優しく微笑む城崎くんにお礼を言って、わたしは保健室へと足早に向かっていった。