シンデレラLOVERS
絋也のしたり顔に俺はここでようやく気付いた……紘也の真の目的はこれだったってことに。
「隠れてヤるのもダメだからな。……どうせわかるけど」
オネエサマの相手した次の日は、朝起きれなくて必ず遅刻する俺。
紘也の目は誤魔化せないってワケだ……。
「まぁ、一ヶ月くらい我慢してやる」
こうなったら、とにかく一ヶ月を乗り切るだけ。
手も出せない彼女なんて、ますます俺の興味はなくなる一方だけど。
とりあえず、紘也に彼女らしいところをアピール出来さえすればいい。
一ヶ月後にそれさえ達成出来れば、日菜琉にはもう用無しだ。
「せいぜいフラれるなよ」
「そんなことあるワケねぇじゃん」
「言っただろ。彼女みたいな真面目そうな娘は、おまえみたいな不誠実そうなヤツに興味ないって」
鼻で笑って返した俺に、売り言葉に買い言葉で返された絋也のこの一言。
これがかなり俺のプライド的に引っかかる。
女なんて誰だって男の見た目が良けりゃ、それでいいんだろ?
どうせ日菜琉だって、俺に相手してもらえて喜んでるに決まってる。
この時の俺の中で日菜琉という存在は、彼女と呼ぶにはあまりにもぞんざいな扱いだった。