シンデレラLOVERS


「いいよ。全部」


「……はっ?」


「だから、ちゃんとわたしを見て……笑ってくれる?」


わたしの答えを聞いて、驚いて呆気に取られた顔の善雅くん。


でも、すぐに表情を引き締めて、


「一ヶ月じゃなくて……無期限で彼女にしてやる」


「うんっ!」



照れくさそうに言い放った善雅くんに、思わず嬉しさのあまりギュッと腕を回して抱き付いた。



「善雅くん、大好きです」



一ヶ月前とは違う。


善雅くんと気持ちが通じ合って、善雅くんの彼女になれたことが嬉しくて堪らない。


ずっと言いたくても言えなかった言葉を口にすれば、善雅くんの優しい唇がわたしに触れた。


「……俺の方が好きに決まってんだろ」


前とは違う。
想いが通じ合ったキスは、体中が喜びで満たされていくみたいだ。


善雅くんの唇が離れた瞬間。
目の前には照れたのを隠すみたいに笑う善雅くんの顔があって。


「うん。ありがとう!」


ずっと見たいと思っていた善雅くんの笑顔が見られたことに、胸がいっぱいになっていった。


まるでネコを撫でるみたいに、くしゃくしゃっとわたしの髪を善雅くんが掻いた。



そして視線を上げれば……今まで見たどれよりも優しい瞳をした善雅くんがわたしを見つめていた。



わたしたちの時間が再び動き出す。



でも、今からは違う。


「善雅くん」


「んっ?」


「イルミネーション、見に行ってくれる?」



今度は期間限定関係なんかじゃない。



ちゃんと想いが通じ合った人と手を繋いで、イルミネーションを見たい。



本物の彼氏と彼女として。





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