年の差と言えば大問題だけど所詮は365日
枝豆の殻入れが満タンになる頃、私の話を遮ってこうちゃんは言った。
「失敗したあと優しくされたくないんだ、な?」
空っぽのビールのジョッキについた水滴を潰しながら、こうちゃんはじっと私を見つめている。切り刻むような鋭い眼光。
「それは……わかんないけど」
「けど、何?」
「優しくされたら、そこまででもう良いんだよって言われてる気がする」
答えた私の言葉を取り上げて、静かにこうちゃんは問う。冷ややかな問いかけに無駄はない。人質になって刃物が当てられる感覚はきっとこんなふうかもしれない。
「もう良いんじゃないの? お前はそこで」
「嫌だぁ…。」
「なんで?」
「なんでって」