勿忘草―愛を語る花言葉―
「隼人ーっ!!」
「うわっ……っと」
俺目がけてタックル、いや飛び付いてきた彼女、凪咲。
「えへへっ、ごめんね。姿見たら嬉しくなっちゃって!!」
いつの間にか待ち合わせ場所に着いていた俺に笑顔を向ける。
そして腰にしっかりと手を絡ませて抱きつき、可愛い台詞を言ってくる。
……本当、こいつっていつまでたっても変わらない。
感情を思いっきりぶつけてくる。
俺はいつも、そんな凪咲に心を鷲掴みにされるんだ。
愛しくて、ずっと俺の傍に置いておきたいって思うんだ。
だけど……。
「どうしたの隼人ー? ボーッとしてるよ?」
「ん、今日な」
「あーっ!!」
凪咲は俺の言葉を遮り、体からパッと手を離した。
ったく、いつも人の話を最後まで聞かないんだから。
「どうした?」
「うんとね、もうすぐ卒業式なんだけど、隼人来れるかなって。サークルのみんな会いたがってるよー!!」