勿忘草―愛を語る花言葉―

だけど、結局はそんな姿が可愛いなと思ってしまう。


俺は重症だな。


こんな自分も悩んでいる姿も絶対に見られたくない。


凪咲の前では理想の男であり続けたい。


だからって凪咲が何かを言ったわけじゃないんだけど。


……俺ってプライド高いよな。


そう思いながら、つくづく自分の性格を恨む。


こんなプライドの塊でできた男のこと、大好きって言葉と体で表現してくれる凪咲。


チラリと視線を向けると、



「最近寝てないもん」



再び同じこと呟いていた。



「そうだな、その代わりタックルしてくるけど」


「だって、嬉しいんだもん!!」



必死に話す凪咲に笑みを零ぼしつつ、俺は思い出していた。


確かに、最近は待ち合わせの場所で待っている間……寝ていない。


だけどそれは寒いから。


去年も冬の間は起きてたんだよな……。


そう、春が近づくにつれて危なくなる。


暖かくなるとどこでも寝てしまうんだ。



だからあんなことが……。


凪咲は知らないあの事件――。





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