勿忘草―愛を語る花言葉―
「聞いてくれ〜! あの隼人がな……」
「何よ昴? もったいつけちゃって」
「隼人先輩がどうしたの?」
「一体何だってんだ?」
俺と昴は、勧誘した新入生四人を引きつれ、サークル会館一棟の三階「バード」の部室までやってきた。
ドアを開けるなり早々、メンバーに向かって大声をあげる昴。
興味津々に話にくいつくサークルのメンバー。
「おい、昴?」
俺の問い掛けに反応しつつも笑顔で無視。
「実はな、あの隼人が……」
勿体つける昴に辺り一面は静まり返り、食い入るようにこちらを見つめてきた。
昴が言おうとしていることはなんとなく分かるんだけど。
こうも焦らされると「早く言えよ」って突っ込みたくなる。
大したことじゃないのに。
「俺が新入生を勧誘したってことだろ?」
で、先に口を開いてしまった。
「イエース!」
昴は満面の笑みで、俺の背中を思いっきり叩いてきた。
このノリ、真似したくはないけど……いや俺には無理だけど、ちょっと羨ましい、そう思う。