勿忘草―愛を語る花言葉―
「それにね、それにね、廉次先輩に千理先輩、洋ちゃんに正樹に、加奈に由希に……」
「はいはい」
このままいけばサークルのメンバー全員言いだしそうな凪咲の言葉を遮った。
肩を優しく叩いて落ち着かせ、次の言葉を待っていた。
何て言うかは想像ついてるんだけどな?
「だからね、一緒に行こ?」
予想通りの言葉とすがるような目。
クッ……。
俺は堪えれず口の端から笑いが漏れた。
「あーっ、何で笑うのよぉ」
そんな俺の様子を見た凪咲は、口をプーッと膨らませて胸をポカポカと叩いてきた。
そんな凪咲の手を掴み、体を引き寄せ……
「なるべく行けるようにするから、一緒に行こうな」
耳元で甘く囁いた。
みるみる赤くなっていく顔。
自分から飛び付いたりする割に、俺からされるのには弱い。
ついからかいたくなるんだよな。
「もぅ……約束だよ!!」
照れ隠しなのか、目も合わさずに胸に顔を埋めてくる。
そんな凪咲に追い打ちをかけるように、
「もーっ!! 隼人楽しんでるでしょー!!」
あぁ、楽しいよ?
俺が不意にしたキスに、真っ赤に反応してくれる凪咲が愛しい。
こんな姿をずっと隣で見ていきたい。
そう思うんだ……。