勿忘草―愛を語る花言葉―

「それにね、それにね、廉次先輩に千理先輩、洋ちゃんに正樹に、加奈に由希に……」

「はいはい」



このままいけばサークルのメンバー全員言いだしそうな凪咲の言葉を遮った。


肩を優しく叩いて落ち着かせ、次の言葉を待っていた。


何て言うかは想像ついてるんだけどな?



「だからね、一緒に行こ?」



予想通りの言葉とすがるような目。


クッ……。

俺は堪えれず口の端から笑いが漏れた。



「あーっ、何で笑うのよぉ」



そんな俺の様子を見た凪咲は、口をプーッと膨らませて胸をポカポカと叩いてきた。


そんな凪咲の手を掴み、体を引き寄せ……



「なるべく行けるようにするから、一緒に行こうな」



耳元で甘く囁いた。


みるみる赤くなっていく顔。


自分から飛び付いたりする割に、俺からされるのには弱い。


ついからかいたくなるんだよな。



「もぅ……約束だよ!!」



照れ隠しなのか、目も合わさずに胸に顔を埋めてくる。


そんな凪咲に追い打ちをかけるように、



「もーっ!! 隼人楽しんでるでしょー!!」



あぁ、楽しいよ?


俺が不意にしたキスに、真っ赤に反応してくれる凪咲が愛しい。


こんな姿をずっと隣で見ていきたい。



そう思うんだ……。




< 4 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop