勿忘草―愛を語る花言葉―
昴の言葉にどうしたんだろうと思い、顔を上げて凪咲の顔を見る。
「うわっ、凪ちゃん真っ赤ー!」
「きゃ〜っ!! 言わないでください! からかわれるとすぐにこうなっちゃうんですよぉ……」
だんだん語尾が小さくなり、真っ赤な顔を手で覆い隠す姿。
だから、そういう反応はちょっと、な?
「え、凪ちゃんもしかして、本当に隼人のこと?」
「ち、違いますっ!」
間髪いれずに速答し、両手をブンブン振り回して全力で思いっきり否定する。
いや、そんな思いっきり否定しなくても。
「クッ……。やっぱ凪咲って面白いな」
毎回のことながらよく笑わせてくれる。
顔を赤らめたまま苦笑する凪咲を見て、結局三人で笑っていた。
あれ? そう言えば……。
ふと突然わいて出た疑問を聞いてみた。
「で、凪咲は何でここにいるの?」
「あ、友達と一緒に何を履修するか決めようって、時間割を決めにきて、大学内をフラフラ〜としてました」
「あ、それなら凪ちゃん何か聞きたいことあればいつでも部室においで!
単位とりやすい教授とか、さぼっても寝てもOKな教授とか俺が何でも教えてやるよ!」
「昴……。ろくでもないことばかり教えるなよ」
「いや、単位ギリギリの俺にとっては死活問題だし! そこは大事なんだって!」
珍しく真剣な昴に、ため息をつく俺。
そんな中、凪咲が口を開いた。
「それじゃあ、後で本当に部室に行ってもいいですか?」