勿忘草―愛を語る花言葉―
1分……
5分……
10分……
まではよかった。
20分……
30分……
キーンコーンカーンコーン。
3限の始まりのチャイムは鳴るし、どうやらお腹も限界に近づいてきたし。
読んでいた参考書を閉じてため息をつく。
起こす、か。
立ち上がって凪咲の元へいき、そっと手を伸ばす。
「凪……」
「……はや……とせんぱ……」
思わず手を引っ込めた。
今、俺の名前……言ったよな?
「プッ。寝ながら笑ってるし」
一体どんな夢見ているんだろう。
俺の名前を言って笑う凪咲を見ていると、まぁ悪い気はしないな。
だけど……
何だか起こすに起こせなくなって、ちょっと困る。
もう一度座っていた場所に戻って腰をおろす。
さて、これからどうするか?
――そんな俺に助け船が来たのは、それから数分経ってのことだった。