勿忘草―愛を語る花言葉―
「は?」
「俺ら三人でさ、順番に囁いて起こしてみようぜ〜」
既にやる気満々の昴。
「何て言おうかぁ〜」
「“起きないと襲うよ?”は?」
珍しく昴に便乗して千理も提案をした。
アホらし……って断ろうとしたんだけど、千理までそんなんじゃ断りづらくなり、結局するはめになった。
そしてすぐに千理、昴……と、二人がしてみたものの、凪咲はまったく反応なし。
「ほら、最後は隼人の番だぜ!」
昴に促されて、凪咲の横に移動する。
今もまぁ、気持ち良さそうに寝てること。
これだけ熟睡していれば、俺が言ったところで起きないだろう。
そう思いながら少しずつ顔を耳元に近付けていく。
近づけば近づくほど寝息が鮮明に聞こえてくる。
「きっと凪ちゃん起きるわよ」
後ろで昴に話し掛ける千理の言葉に“それはないだろ”と思いつつ、一息ついて口を開いた。
「起きないと……襲うよ」
ガタガタッ!!
「えっ!?」