勿忘草―愛を語る花言葉―

「は?」


「俺ら三人でさ、順番に囁いて起こしてみようぜ〜」



既にやる気満々の昴。



「何て言おうかぁ〜」


「“起きないと襲うよ?”は?」



珍しく昴に便乗して千理も提案をした。


アホらし……って断ろうとしたんだけど、千理までそんなんじゃ断りづらくなり、結局するはめになった。


そしてすぐに千理、昴……と、二人がしてみたものの、凪咲はまったく反応なし。



「ほら、最後は隼人の番だぜ!」



昴に促されて、凪咲の横に移動する。


今もまぁ、気持ち良さそうに寝てること。


これだけ熟睡していれば、俺が言ったところで起きないだろう。


そう思いながら少しずつ顔を耳元に近付けていく。


近づけば近づくほど寝息が鮮明に聞こえてくる。



「きっと凪ちゃん起きるわよ」



後ろで昴に話し掛ける千理の言葉に“それはないだろ”と思いつつ、一息ついて口を開いた。



「起きないと……襲うよ」



ガタガタッ!!



「えっ!?」




< 69 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop