勿忘草―愛を語る花言葉―
対戦相手は部内でも強者の「廉次・祥子」のペア。
二人して経験者で、さらには負けず嫌い。
前回まで俺とぺアを組んでいた祥子は、今までの試合はほぼ連勝。
「隼人以外とペア組むの久しぶり〜! フフッ、こてんぱんに打ち負かしてあげるから、やるわよ廉次!」
「……と言うわけで、手加減しませんからね、隼人先輩?」
意気揚揚と盛り上がる二人を前に軽く笑みを返す。
そんな俺らの様子を静かに見守るどころか、ラケットを取りに行っている凪咲。
何となくだけど……。
「みんな準備はいい? 凪ちゃん初めてだし、サービスは隼人・凪ちゃんペアからでいいわね?」
シャトルを握る姿や一つ一つの仕草が、経験者であるような気がする。
隣のコートでは既に試合が始まったみたいで、大きな歓声が聞こえてくる。
「華ーっ、私らも始めよ」
祥子の呼び掛けで、コートの定位置についた俺らの試合も始まった。
サービスは凪咲から。
とりあえず、お手並み拝見とするか。
「ラブオールプレイ」