ブック・ワーム
あ、そうだ。

自分のほっぺたをつねればいいのか?

俺は、自分のほっぺたを軽くつねって見た。


ぎゅう〜


あれ?

痛くない。

ちょっと、やさしくつねりすぎたかな?

そうか、夢の中だから、もうちょっと強くつねらなきゃ!

どうせ、夢なんだし、思いっきりつねっても、起きたら痛みは消えてなくなるはずだ。

俺は、人生の中でも一番というくらい強くほっぺたをつねった。


ぎぎぎゅうぅぅ〜〜!!



時田「痛ぇーーっ!!!」


俺の叫び声は、そののどかな村に響き渡っていた。

うぉーっ、超痛いよ〜。

どうなってんの?

夢の中なのに、痛みあるし。

それに、全然目が覚めない。

なんなんだよ〜。

しかも、とんでもないくらい叫んだってのに、誰も反応してない。

当たり前のように、みんな黙って歩いてるよ。

ちくしょー。いったい、どうすればいいんだ?

溝に片足でも突っ込んで、そのびっくりで起きてみるか?
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