ブック・ワーム

「惜しいな。ちょうど後ろにいるんだけどな。」



また、あの声だ。

後ろだって?

俺は回れ右して、後ろを見てみる。

でも、いない。



「だから、後ろだっていってんじゃね〜か。さっさと、見つけろよ。このオタンコナス。」



くそ〜。イライラするな。

俺は、何回もクルクル回転しまくって、後ろを振り返ってみた。

全然、見つからない。

そのたびに、あの声が俺のことをバカにしてくる。

もう、何だかめんどくさくなって、俺は足を広げて、股の下から後ろを覗いてみた。

「チッ。見つかっちまったか。お前にしては、よくやったな。もうちょっと、お前で遊んでおきたかったんだが、見つかっちゃ〜、しょうがねぇ。」

そこには確かに何かがいて、それから声が聞こえている。
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